ミッケ!の物語

「もう一人、いれば」

これは、ある経営者の試行錯誤の記録です。

20代でミュージシャンに挫折。
10年のサラリーマン経験を経て、独立してコンサルへ。
コロナで仕事が止まり、ほっともっとフランチャイズで急拡大。
3店舗目で赤字に転落。

その中で、つぶやき続けていた言葉。
「もう一人、いれば」

その声が、ミッケ!というサービスを生みました。


最初に

このページに書くのは、立派な起業ストーリーではありません。試行錯誤の連続と、そこで見つけたものの記録です。立派さよりも、リアルさを大事にしました。「この人なら、現場の本音を分かってくれそうだ」と感じていただけたら、それが一番嬉しい結果です。

ミュージシャンを目指していた20代

社会人になる前は、プロミュージシャンを目指していました。10代から20代中盤まで、全身全霊で取り組みました。バイト、バンド活動、スタジオミュージシャンの仕事を掛け持ちする日々。過労で倒れて病院に運ばれたことが2回ありました。

ある日、未来のことを考えて働こうと決め、派遣会社に登録しました。配属されたのが、大手通信キャリアの運営代理店でした。これが、今に繋がる入口でした。

サラリーマン10年、現場を「やる側」で経験しました

最初の2年は別の代理店、その後8年は同じ代理店で、合わせて10年。

携帯電話の販売、お客様対応、新人指導。本部からの指示が降りてきて、それを現場で形にする毎日でした。

その10年で、現場の本音を、自分の身体で経験しました。「これ、本当にやる必要あるのか」と思った指示。「現実離れしている」と感じたキャンペーン。「やり方が分からない」と困った新しい仕組み。

そして、それでも現場で動かすために、自分なりに工夫してきました。本部の意図を読み取り、現場の動きに翻訳し、お客様に伝わる形に変える。それが、現場で生き残るための仕事でした。

独立して、伴走する側に回りました

その後、独立して、NTTグループ系を中心とした実務伴走コンサルタント・研修講師になりました。

サラリーマン時代に培った「本部と現場の翻訳」の感覚を、今度は外から、複数の代理店に提供する仕事です。

研修だけで終わらせず、新人に同行して、現場で手本を見せて、誰も拾わないボールを拾う。

「これをやってください」と本部が指示する。代理店の現場は「はい、わかりました」と返事する。でも、本心では「やりたくない、無理だ」と思っている。

その矛盾の間で、両者を翻訳し、現場が動く形に組み直す。それが私の仕事でした。

サラリーマン時代に「現場でやる側」を10年やった経験があったから、「やりたくない」と感じる現場の気持ちが、肌感覚で分かりました。コンサルが机上で語る論より、現場で動かす実践のほうが大事だと知っていました。

代理店の店長や新人と何度も飲み、家族の話まで聞いて、その人たちの人生まで一緒に背負っているような感覚で、毎日現場に向かっていました。

仕事がゼロになりかけた日

独立して5年、伴走支援の仕事は軌道に乗っていました。全国の代理店から声がかかり、研修と現場伴走の予定が、半年先まで埋まっていく日々でした。

そこに、2020年のコロナが直撃しました。

研修も、現場訪問も、ほぼ全て止まりました。これからの自分をどう立て直すか。新しい収益の柱が必要でした。集客のスキルがないこと、自分でゼロから仕組みを作った経験がないこと、そういう不安と向き合うことになりました。

選んだのが、ほっともっとのフランチャイズオーナーでした。地域に根を張れる、細く長く続けられる、そして資金面でも現実的。2021年8月、桜井三輪店から始めました。

その後、2022年2月に2店舗目、2024年2月に3店舗目。フランチャイズ史上最速のペースでした。

コンサル業も並行して続けてきました。コロナ後に少しずつ戻ってきた案件と、新しく出会ったクライアントを大切にしながら、もう5年。独立してから合計10年、関わった代理店は、これまでに53社になりました。

「もう一人、いれば」と痛感した日々

ほっともっとも、3店舗目を持って急拡大した時、逆に赤字に転落しました。

当時は、準備もできていると思い込んでいました。店長を任せられる人材も、運営の仕組みも、ある程度整っていると判断していました。

でも、フタをあけてみたら、毎日なにかに追われる日々でした。1店舗目のクレーム対応、2店舗目のシフト調整、3店舗目の人材確保、本部からの連絡、原価管理、現場のトラブル。

頭の中で、ずっとつぶやいていました。

「もう一人、いれば」と。

経営者として、社長として、現場の判断者として。本当の意味の「もう一人」が必要だったのは、私自身でした。

その経験から、自分の経営の力量を超えていると判断し、2025年1月に2店舗目を契約満了で閉じる判断をしました。

これがリアルです。まだ綺麗な着地は見えていません。失敗のまま終わらせるか、成功までやり続けるか。今は、後者を選んでいます。

そして、あの時の「もう一人、いれば」の声が、今のミッケ!というサービスの原点になっています。

両方の正義を、現場で見ました

自分自身が経営者になってから、もう一つ大事な気づきがありました。

社長は、伸ばしたい。会社を伸ばさないと、いつか赤字で潰れる。それは数字を見ているから分かる。

従業員は、楽したい。会社が潰れても、他を探せばいい。条件が良いところがあれば移ればいい。それは生活を守るための、当然の本音です。

社長と従業員、それぞれの正義は、噛み合いません。SNSでは「全員が一体になっている会社」もたまに見かけますが、全国で見れば片手で数えられるほどです。それ以外の会社は、全部この溝を抱えています。

そして、どちらの正義も、間違っていません。

普通のコンサルタントは、「従業員を変えましょう」と言います。でも、現場で20年見てきた立場から言えば、それは現実離れしています。研修で熱くなっても、1ヶ月で元に戻るし、ベテランは新しいやり方を拒否する。それが当たり前です。

変えるべきは、人じゃありません。組織です。

人は、伸ばして活かす。変えるのは、組織だ。

それが、私が現場で辿り着いた答えでした。

ミッケ!の意味が、広がりました

集客支援サービスとして、ミッケ!を立ち上げました。最初の意味は「お客さんをミッケる」。集客の語呂合わせから始まったサービスでした。

でも、現場で動くうちに、見つけるべきものは、お客さんだけではないと気づきました。

スタッフの隠れた強み、課題の本当の場所、答えのある現場、誰もやらないボール。社長が一人で背負ってきたものを、一緒に「ミッケて」、形にしていく。それが、ミッケ!の本当の仕事でした。

今、ミッケ!は3つのサービスを提供しています。Claude Codeを活用したDX伴走、営業力・集客力の実務伴走、人材育成研修。どれも「あなたの会社の現場で、一緒にミッケて、形にする」という同じ仕事です。

これから

正直に言えば、私の会社はまだ立て直しの途中です。完成された経営者ではありません。

ただ、43歳の私が見ている景色は、はっきりしてきました。派手な拡大ではなく、目の届く範囲の人を豊かにする経営。信頼できる仲間と一緒に、無理なく続けられる事業を、これから3〜5年かけて、地に足をつけて作っていきます。

立派な未来予想図ではないかもしれません。でも、自分にできる範囲で、本気の計画です。

「もう一人いれば」と思った瞬間、ぜひ思い出してください。あなたの現場に立ち、両方の正義の間で、一緒にボールを拾う人が、ここにいます。

立ち上げる派手さはありません。代わりに、すでにあるあなたの現場を、確実に伸ばします。

それが、私のできることです。

福嶋 彬人 (AKITO) / 株式会社 Aid & Aide

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